SSブログ

TPPと医療保険の問題

[Sponsored Links]


日米首脳会談以降、TPPのことが話題になっています。
TPPと言いますが、いったいTPPって何の略だか知っていますか?


「Trans-Pacific Partnership」のことです。
日本語では、「環太平洋連携協定」。


日米首脳会談での安倍総理の交渉内容が、
例外なき関税撤廃ではないことが明らかになって、
安倍総理の交渉力を評価する報道が目に付きました。


このTPPの交渉では、何となく農業の話題が大きくとりあげられている
ような気がしますが、じつは医療がターゲットなのかもしれません。


なぜ医療保険がターゲットといわれるのでしょうか。
医療保険は、健康と直接的に結びつくので多くの人の関心事でしょう。
いったい、TPP締結と医療保険はどんな関係にあるのでしょうか。


まずは、

「TPPに参加し混合診療が導入されると、
日本の誇る国民皆保険制度が崩壊する。」

といわれているのをご存知ですか?
保険制度が崩壊する、とはかなり深刻な言い草ですね。


その前に、「混合診療」ってなんでしょうか。

保険が適用される「保険診療」と保険適用外の自由診療、
つまり「保険外診療」の併用のことを混合診療というのです。


混合診療ができるようになると、自由診療という形で
これまで診療全体を自由診療にしないと受けられなかった
高度医療・先進医療が受けられるようになります。


しかも、これまでより安い費用で受けられるようになるから、
それは患者側にとってメリットですね。


確かに、いままで高いから受けられなかった高度医療が
多くの患者の命を救うことになるのでしょう。


問題は、国が支える公的保険の財政的負担です。


国民皆保険は、とてもすばらしい制度です。
患者側の負担がかなり軽く抑えられています。
しかし、裏を返せば国の負担が大きいということでもあります。


医療費は年々膨れ上がっており、
そのために公的保険の適用範囲拡大がなかなか進みません。
これ以上拡大すると、財政破綻しかねないほどの大赤字だからです。


財政的に見れば適用範囲拡大を止めたいのが、国のホンネ。
でもそれだと公的保険にしか加入してない人々は、
時代遅れの診療しか受けられなくなります。




そこに混合診療が来たらどうなると思いますか?
高度医療・先進医療がかなり安価で受けられるようになる一方で、
国の負担分は急激に増えることになります。


公的保険の方は、わざわざ保険適用範囲を広げる必要性が薄まるので、
適用範囲拡大は進まず、公的保険はますます時代遅れになるのです。


混合診療の恩恵を受けるのはある程度の収入をもつ人間だけでしょう。
高額所得者は先進医療の恩恵を受け、低所得者は公的保険による
時代遅れの医療しか受けられなくなるでしょう。


これが皆保険制度の崩壊です。


現状は、高度医療を受けたい高所得者が、高い医療費を負担しています。
でも、混合医療を解禁すると、低所得者に大きな負担がかかります。
これまで日本は、高所得者に負担をかけるという選択をしてきたのです。


アメリカの医療は、収入格差前提の制度になっています。
TPP締結で、混合医療が導入されるとアメリカの保険会社が
医療保険をオファーし、国が大きな負担を強いられることになりかねません。


[Sponsored Links]

共通テーマ:健康 | 編集
Copyright © スタイリッシュなライフスタイルをめざすアルケミスト All Rights Reserved.
当サイトのテキストや画像等すべての転載転用・商用販売を固く禁じます

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。